集中力
時としてある種の知性に憧れる。とてつもない集中力を発揮して、ただひとつのことに夢中になって、他のことを全くおろそかにしてしまうようなもの。
つい先日の5月4日はジャズギターリスト、エミリー・レムラーの命日だった。
Emily Remler plays "Blues For Herb" - YouTube
俺のようなものからすれば、これだけギターを弾ければ、なんの文句もないだろうにと思う。しかし、彼女は(恐らくは)ドラッグに嵌まり、20年ほど前に32歳で死んでしまう。
そんなにまでして得ようとした陶酔感とはどんなものだったのだろう。ギターを弾くこと、自分の演奏する音楽に酔うことだけでは得られないようなものだったのだろうか。
ジミー・ヘンドリックスやジャニス・ジョプリン、ジム・モリソンなど、ドラッグが要因となって早逝した音楽家たちのことを考える時は、そう思っていた。
ひょっとしたら彼らは陶酔感を得ようとしたのではなくて、アッパー系のドラッグの効果として得られる集中力を欲していたのじゃないだろうか。
一晩中でもひとつのフレーズを追いかけて行くことが出来る集中力、薬の力で得られるものなら、それが欲しい。そう思ったのではないか。
爪を切ったり、風呂に入ったり、飯を食べたり、埃を拭いたり、草ムシリをしたり、インターネットを点けたり消したり、そんなことをしているうちに1日なんてすぐに終わってしまう。まことに卑小ながら、GWだってそんなこんなで終わりを告げるのだ。
人間は止めたくないので、ドラッグには手を出さない。出すだけの財力がないことを幸いに思う。もしあったら、手を出してしまいかねない弱さを自分の中に見つけた。