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ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

シンプル・シモン

映画


映画『シンプル・シモン』予告編 - YouTube

 

多分、放っといたら見なかったろう映画だけど、ひょんな多方面からの紹介を受けて見に行った。

 

「シンプル・シモン」と言えば、アルプス一万尺のメロディで歌われるマザーグースのタイトルだということを、見終わってあれこれ検索しているうちに知った。

 

アスペルガーのシモンと同居することにした兄とその恋人。その生活は当然のように破綻して、シモンはバランスを崩す。崩した中で、兄に恋人が出来れば全てが元通りになると考えて、兄にピッタリ会う恋人を探しに街に出る。シモンは葛藤しない。自信とプライドの乖離もない。時折、状況がカオスになるだけだ。カオスになるとドラム缶の中に逃げ込む。

 

兄だけがドラム缶に逃げ込んだシモンと交信することができる。宇宙飛行士と地上管制官のものまねをして。"This is earth, tring to connect Simon, Do you copy? over."と。このやりとりは俺に、デビッド・ボウイを容易に想起させた。

 

シモンは言う。「運命とかは信じない」

そして物理学、数学の能力がとても高い彼は「方程式だけが信じられる」と。

 

スーザン・ソンタグのように「病」を「隠喩として」捉えることに躊躇しつつも、この映画を見ながら「だってシモンが運命だからね」って思っていた。「運命には抗えない」もの。

 

そこから逃げ出そうとするか、それを受容するかの選択肢しかないのだと。

 

この映画の良いところは、ラブ・コメディの鉄則に従って、「悪意のある人が出てこない」というところだ。

 

あとこんなことも考えた。「あらゆる差異とか相違とか変異とか、とにかく違いってものは、全部、『可能性』ってものとして引っ括ることが出来るんじゃないか」って。

 

うん。だから笑って受け入れてみれば、運命の側で変化するってことだってあるんだよね。

 

好きな映画がまた増えた。単館上映ってのが残念だけど。