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ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

谷間の百合

 

谷間の百合 (新潮文庫 (ハ-1-1))

谷間の百合 (新潮文庫 (ハ-1-1))

 

 

 誰のどの本棚を見ても、この『谷間の百合』が並んでいた。

学校の図書館にもあったし、友人の本棚にも、友人の親の本棚にもあった。

 

古典であることは間違いない。間違いないがしかし、こんな本を滅多矢鱈に人に勧めてはいかんのではないか。下手な官能小説よりもずっとエロティックだ。

 

なにも起こらなかったこと、触れ合わなかったことがこれほどまでに…そう、官能的なんだとは思いもよらなかった。

 

書簡の体をなしている。こんな大部な手紙を送られたナタリーも迷惑だろうし、その挙句にあっさりフェリックスを振るくちぶりが爽快だ。(多分、この小説の眼目は絶対そこではないはずだけれど)

 

とんでもない本を読んでしまった。

俺という人間の輪郭が少しずれたように思う。