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ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

お囃子

雑感

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他愛もない話だ。

 

高校時代、付き合っている女の子と並んで歩いて帰った。…違う、俺は自転車通学だったから、自転車を押しながら、彼女と並んで歩いていたんだ。

 

すると後方からチリンチリンと、自転車のベルの音がする。ニヤニヤ笑っている様子を背中に感じる。振り返っては行けない。「絶対に後ろを見ちゃダメだよ」そう彼女に言ったかもしれない。

 

俺の友人たちが、たまたま俺たちの帰り道に遭遇して、からかっているのだ。後ろにいるのはひとりじゃない。友人たちだ。その証拠にベルの音はひとつではない。チリンチリンという音が少しずつクレッシェンドして行く。

 

別に何をするわけでもない。チェシャ猫の笑いで後ろから近づいて来て、そのまま遠ざかる…こともあるし、「おい、なにやってんだよ」と声をかけてくることもあった。「なにやってんだよ」って、そんな言い草はないだろう。初心な高校生が精一杯背伸びをして女の子と歩いてるんだ。

 

そのからかいのことを「お囃子」と呼んでいた。

 

先日、その友人と再会した。チェシャ猫の笑いは相変わらずだ。あの薄笑いからもう40年が経とうとしている。恐ろしいことだ。