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ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

アンチ天地無用主義

雑感 自転車 写真

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自転車に乗っていて、後方を確認することがある。立ち止まって後ろを振り返り…ではなく、気分はツール・ド・フランスの選手だから、走りながらの後方確認だ。

 

例えば道路左側の路肩を走りながら、前方に速度を落とした左折車両を見つけた時、このままだとぶつかるからこちらもスピードを落とすけれども、出来たら落とし切りたくない。右に少し膨れてその左折車両をやり過ごしたいという時、後続車両があると危ないから後ろを見る。

 

その瞬間、前方の消失点から俺の背中に向かって降るように流れてきた景色が反転する。目の前に向かって背後から景色が流れてくる。

 

ヨットに乗り…大きなヨットではなく15フィートクラスの2人乗りディンギーに乗った時、風を孕んで大きく傾く船体を、シートを握ったまま身体を船の外側に乗り出してひっくり返らないようにバランスを取る。

 

その時、俺はふざけて更に反ってみた。即ち、それまでの顎を引いて船の方、あるいは進行方向の方を見ていた状態をやめて、船の縁を背中に、ブリッジしたような状態になって遠くを見てみたのだ。

 

お分かりいただけるだろうか、その天地が反転した状態を。上空に在った蒼穹が眼下に広がり、すぐ頭の上から水平線まで続く青い海が、それまでの空の位置になった。そして、ヨットのスピードに合わせて風景が流れていくのだ。

 

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こんな状態で景色を見たことがあるという経験は、俺を豊かにした。そして江戸川乱歩の「現し世は夢、よるの夢こそまこと」という言葉をリアルなものとして受け入れるようになったのだ。