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ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

King Crimson

雑感 音楽

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高校の頃、信州の山に登ったことがある。いや、大した山じゃない。大した山じゃないが、山を侮ってはいけないのだから、それはやはり大した山なのだ。外輪山があり、その頂上を獲ってから、目指す山の頂きに至るまでに、俺たちのその時の実感で言えば「もったいない」ほど、下らなければならなかった。

 

運動部に入っていたわけではない俺は、生まれて初めてあんなに汗をかいたというくらいの汗でTシャツをぐっしょりさせた。背中に背負ったトマト、当たり前のカレーじゃ面白くないからと味に深みを求めて、俺の分担はトマトがどっさり入っていたのだが、いざ鍋に入れようと取り出してみると、俺の体温で饐えたいやな臭気を発していた。

 

今となっては、「それも人生」としたり顔をすることもできるだろうが、当時としては本当にもったいないと思ったものだ。

 

さて、それはそうと。

 

その頃…1970年台の終わりだ。まだiPodも、そうウォークマンも市場に出まわっていない頃、旅行に出かける時、音楽好きはカセットテープとデッキを持って行った。車のカーステレオを使う時は、カセットで良かったのだが、車じゃない移動の時、例えば、電車での移動、自転車での移動、徒歩での…山登りのような時は、音楽好きは唯一の方法を取ることしか許されていなかった。

 

我慢、そして想像力を行使する。

 

しかし、どの世界にも常識的な範疇を越えようとする革命児は存在するものだ。山頂近くの見晴らしの良い展望台で休もうとしていると、遠くから透き通るような音楽が聞こえてきた。

 

クリムゾン・キングの宮殿』だった。

 

クリムゾン・キングの宮殿

クリムゾン・キングの宮殿

 

正直言って、その時、仲間のひとりがC調に「クリムゾンですかぁ〜」とその大学生らしいパーティに話しかけても、そして彼らとなにやら内輪っぽい話を始めても、あるいは始めたから、俺は「フン」と鼻で笑うようにして、それ以降もクリムゾン・キングを聞くなんてことはなかった。

 

それが7年殺しのように、今ごろになって毎日クリムゾン・キングの神様が降臨し、毎日聞いている。