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ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

意図の蜘蛛の巣

雑感

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あれは高校の時だったろうか。いや、中学校だ。俺は図書室を溜まり場にしていた。放課後、これといった部活もしていなかった俺は、行きどころをそこに定めた。

 

本は好きだったし、何よりも委員会活動そのものが活発ではない時代の公立中学校だったから、放っておかれている感じが気に入った。

 

そこで放課後に上級生何人かと集まって、ダラダラと知的好奇心を煮詰めるおしゃべりを続けた。『O嬢の物語』もマルキ・ド・サドという名前も、そこで初めて知った。

 

あぁ、俺たちの話しぶりといったら、まさにオタク系のハシリだったことよ。

 

ところがその蜜月的日々も長くは続かなかった。目的意識と向上心をふんだんに持った新任の司書教諭が着任し、図書室改革の日々となった。

 

本棚の配置を工夫し、ポップを飾り、委員会活動を充実させ始めてしまった。サロン的にダラダラと話していると「ここでは私語はね」と小首をかしげながら注意される。ぼんやり本棚を眺めていると「どんな本を探しているの?」と声を掛けられる。

 

たちまち居心地の悪くなった俺たちだ。それがどのような善意に舗装されているとしても、余りに太くて強い意図の網の目は、俺を息苦しくさせる。なんでもない無重力状態を楽しむ時間。それが図書館や喫茶店であってどうしていけないのだろうか。