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ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

例えばこんな風に…

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例えば、その中2の女の子は、離婚した両親が、どちらも養育義務を負えない状態で、(父親のDV、母親のアルコール依存症)やむを得ず、母方の祖父母に預けられたのだ。その祖父母の家は、海を見下ろす切通しの上にあった。

 

寝付けない日々を過ごし、居心地の悪い転校先の中学校に通い、ある時、家の納戸の奥からロングボードを見つけ出した彼女は、祖母にそのボードの言われを聞く。「腰を痛めて止めちゃったけど、爺さんは昔、波乗りしてたのよ」と言う。

 

百均で万引きをして捕まった少女を、祖父が引き取りに来た。困ったような顔をして前を歩く祖父に「じいちゃん、サーフィン教えてよ」と言う。何故そんな言葉がクチをついたのか少女にも分からない。本気で教わる気だったのか、祖父の機嫌を取ろうとしただけなのか。

 

祖父は笑いながら「俺の時間に合わせて起きろ」と彼女に告げる。そして、彼女は祖父とハード・オフで、中古のウエットスーツを買う。

 

夜遅くまでLINEで見知らぬ人とメッセージを送り合っているので、彼女は慢性的な睡眠不足だ。その彼女にとって、祖父の時間に合わせて5時30分に起こされるのは、半ば暴力だ。

 

その日は、小さい波が寄せる。そのロングボードの上にひざまずいたまま、その小さい波に運ばれた時、彼女のバランス感覚が蘇った。

 

そのバランス感覚は「生命」そのものに内在するものだ。

 

例えば…例えばだ。