ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

暗渠

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幼い頃、この写真の場所は暗渠だった。下をドブ川が流れ、コンクリートの蓋が敷き詰められていた。所々、その暗渠の中を覗くことが出来るような隙間が開いていた。その両側、今、沢山の植木鉢やらの植物たちで一杯の辺りが、細かい砂利の撒かれた地面で、俺はここで自転車に乗る練習をした。

 

ひょっとして、落ちるってことだって在り得るような、危険な場所があちらこちらにあった頃だ。自転車で10分も走れば、蓮田があって、そこは「落ちると死ぬよ」と言われていた場所だ。

 

実際、俺は大きなドブ川に落ちて、通りかかった人に助けられたことがある。ドブ川の上を渡す幅10センチ程の橋桁状の上を渡る遊びだ。そんなものがあれば渡りたくなるし、渡れば落ちるのも道理だ。落ちた俺は幼稚園ぐらいだったろうか。ドブ川の底まで沈んで、底を蹴ったことを朧気ながら覚えている。

 

あるいはそれも作られた記憶か。でも、俺を助けてくれた人の家にバラの垣根があったことは確かに覚えているのだ。

 

暗渠という言葉を覚えたのは、もっと後のこと。ガラの悪い土地柄、この辺りで酔っぱらいが喧嘩をしていて、俺の母親が家の電話で警察に電話をしていた時のことだ。「◯◯丁目です。はい。☓☓番地、はい。そこの暗渠のですね。はい。暗渠です。ドブ川、ドブ川の辺りで」と言っていた。

 

その暗渠も今ではすっかり牙を抜かれ、この有様だ。今、辺りに在る危険はもっと手が込んでいる。