ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

冬の雨

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雨が降っている景色を車窓から眺める。信号が赤から緑に替わる。その信号機の光も雨で滲んでいる。今、目の前にあるその景色は、今、目の前にあるものだけではなく、記憶の中の何百回とある冬の雨の景色と重層的になる。

高速道路の下にある公園でブランコの脇に腰を下ろして、降ってくる雨と手前に落ちる雫とを女の子と見上げていた雨も冬だ。女の子は赤い毛糸のセーターを着ていた。

千鳥柄のコートを着ていた女の子は髪が長くて、ちょうどパーマをかけたばかりだったのか、落ちてきていた頃だったのか分からないが、後ろから見ると、オスのライオンみたいだった。俺がそう言うと「でしょ?」と言ってチャシャネコの笑いを笑った。

遠くに鈍色の海が見える。思い出すのは四谷の駅前から水道橋の方に向かって歩いていた日の姿だ。何時、誰とどんな用事でそうしたのかは全く覚えていないのだけれど、傘をさして町を歩く自分の姿は、いつもその日のことを思い出す。

秋葉原から御茶ノ水、水道橋辺りの町並みは、俺の中でサンクチュアリになっている。そこで何かが生まれて、何かが始まったのだろう。

冬の雨は徒らに俺を感傷的にするのか。

その日の終わりに肯定的なことを三つ記す効用を説くライフハック記事を読んだ。

・麻婆豆腐はまずまずだったけど、カニ玉風スープが上手に出来た。

・無駄遣いをしなかった。

・アラジンストーブの上で暖めたサツマイモが美味しく食べられた。

こんなところだ。全体的なこのトーンは、別に落ち込んでいるわけではない。多分、寒いからだ。