ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

掻き揚げを上手に揚げる義母

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サックリとホクホクと揚げられた掻き揚げがテーブルに並んでいく、その様は奇跡のようだった。俺はどうやってやってもモッチリとベタベタとしか揚げられない。

 

里帰り先の妻の実家に日の出製麺所讃岐うどんを手土産に持っていったのだ。その昼食のお惣菜にと、義母が天ぷらを揚げてくれた。コツはたっぷりの油と、厚手の鍋だとのことだった。「箸の先で突くと、揚げ頃が分かるようになったの」と言う。

 

妻の実家では、両親とも酒を飲まない。娘二人、即ち妻も義姉も飲まない。俺の子はまだ未成年だ。これだけの天ぷらが揚がっているのに…と俺は密かに「惜しい」と思っている。いつか、やはり呑兵衛の義兄を誘って、上等の日本酒を用意して、お任せで次々と義母に天ぷらを揚げていってもらいたいと罰当たりなことを考えている。

 

とこんな図々しいことを考えられるようになるまで、結婚して15年を必要とした。最初の頃は、里帰りしても所在なく、俺だけは漫喫に6時間コースで逃げ込んだりしていた。今でも所在はないのだけれど、これが俺だから、ご勘弁と大目に見てもらうことを許されている(ような気がする)

 

俺は、色々なことに時間がかかる。大抵のことに無自覚のまま本能的に振る舞って、ことの本質に気付いた頃には、色々と手遅れになっていたり、糸がもつれて虚心坦懐にその状況を堪能できなかったりしている。

 

馴染みと俺の図々しさとのバランスがいい感じで相俟って、義母の天ぷらを堪能することが出来ればと思っている。