ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

錯綜感

f:id:jerryrollsunny:20130103132042j:plain

 

J・D・サリンジャーに『倒錯の森』という作品集があった。いや、今でもある。しかし、俺が持っている角川文庫版はとうの昔に絶版になっていて手に入らない。70年台の『宝島』で紹介されていたのを覚えていた中学生の俺が、神田の古書街で見つけて買ったものだ。

 

なぜそんなことを思い出したかというと、この移動距離の多かった年末年始を振り返るようなつもりで、ブログタイトルを「錯綜感」と付けた。付けた後でそう言えば『倒錯の森』っていう本があったなぁと思い出したのだ。

 

年末に30年振りの友人と30年振りの居酒屋で再会した。古書街から小川町、美土代町を抜けて神田駅に向かう途中の住宅街に忽然とある居酒屋だ。今にして思うと、こんな古色蒼然とした時代掛った居酒屋に、よくもまあ、青臭い学生の俺たちが出入りしていたものだ。

 

その店は今も変わらずある。変わったことは、店員さんがバイトのおばちゃんから、大陸の人たちになったということぐらいだ。その友人たちというのも、メキシコやスイスから一時帰国中という、実に世界は小さくなったということが実感される有様だ。

 

であって猶、サリンジャーの『倒錯の森』は手に入らない。