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ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

エキゾーストノートの匂い

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中学の頃、『燃えよドラゴン』を見た少年なら誰でもそうしたように、近所に空手の道場を探して通い始めた。

 

俺に見つけられたのは駐車場の隅にサンドバッグを吊るして、近所のアンちゃんたちを集めて教えているような、要は「外」で空手の練習をする道場だった。キー坊とかエズっちょとかソク留とかのアダ名でお互いを呼び合っている連中が通ったり休んだりしながら週三日ぐらいの練習を行なっていた。

 

瓦割りの練習とか言っても、そんなに正規の瓦を使えるはずはなく、割った欠片を割って、また割って、割って。最後は小さな小石みたいになったものを割ろうとしていた。そんな『燃えよカンフー』的な、「コオロギよ…小石を割ろうとするのではなく、お前自身が小石になって砕けるのだ」的な所で空手の練習を始めた。

 

そんな感じの所だから、なんとなく中途半端になって暫く休んでいるうちに、師範が仕事が忙しくなったという理由で、その場所は閉鎖されてしまった。

 

母が折角ならって身体も丈夫になったんだからと、自転車で10分程の所に本格的な道場を見つけて来た。「練習の最初と最後に道場の周りをみんなで掃除してるのよ。その感じが凛々しくて良いんだから、行きなさいよ」というわけだ。

 

俺はそこへ通い始めた。1年ぐらいは通ったろうか。練習を終えて家に着くと、『プロポーズ大作戦』が始まっているような時間になっていた。(俺の地区では火曜日の10時だった)

 

ただ、一度サボるとサボり癖が着いた。俺は家を出た後、終わる時間になるまで自転車であちこち走り回った。ちょうど半分の時間までどこまでもどこまでも走り、折り返して戻った。途中いくつも川を渡った。ママチャリでダンシングしながら、橋を渡った。

 

その時に嗅いだエキゾーストノートの匂いが、俺と町との最初の接点だったように思う。