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ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

ジョン・ボーナム

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zepp69さんの祭典の日を拝見してから、ipodでは彼らの曲ばかりをシャッフルで再生している。正直言うと、俺は一度だって彼らの熱心なファンだったことはない。ギターを手にすれば、たどたどしい指遣いで「天国への階段」を弾いたし、『フィジカルグラフティ』も『プレゼンス』も発売と同時に買って聞いた。でも、しつこいようだが、熱心なファンではなかった。

 

誤解があってはいけないのだが、彼らを貶めるつもりは微塵もない。「俺」の彼らに対する気持ちを探っている。

 

その頃の俺は、どちからと言うとアメリカン・ロックが好きだった。薄汚くGパンを履いて、なんならビーチサンダルでもステージに上がろうというフリーな感じを好んだ俺は、ブリティッシュの連中のことを、ピッチピチのレザーパンツにロンドンブーツという出で立ちでキメる奴らと思っていた。音楽よりも出で立ちを先行させる奴らと勝手に思い込んでいた。

 

同じ髪を長く伸ばすのも、ロバート・プラントロジャー・ダルトリーのようなクルクルのカールがかかった方じゃなくて、ただのボッサボサに伸ばしただけのジェリー・ガルシアを良しとしてきた。

 

ナチュラル志向?うーん、オシャレを支える自己に自信が持てなかったので、オシャレしないことを選ぶことでお目こぼしを願うという心性だろうか。

 

飯田橋の佳作座で『狂熱のライブ』を見終わって、多分ファンたちで一杯の劇場で「あ〜つまんなかった」って一緒に見に行った女の子に呟いて「ちょっと、やめなさいよ」なんて言われたりした。そういう生意気なことを言って得意になってる若気の至りだった。当時の俺の言い分は、ライブだけだったら良かったのに、幻想的なシーンがちょいちょい挿入されていることで、没入感を殺がれるじゃないかというものだった。

 

じゃあなんで新譜をチェックし、「胸いっぱいの愛を」のリフを弾いたりしたのかというと、そうすると女の子にモテると思ったのだ。結局オシャレな方がモテるし、モテる者には勝てない。

 

実際は何をどうしてもモテる奴はモテるし、そうでない奴はそうでないということだったのだけど。

 

あの頃、Grecoのギターを買うと、成毛滋のカセットが貰えて、「空ピックの入れ方」とか「チョーキングの仕方」とかのレッスンを聞くことが出来たのだが、その中に幾つかジミー・ペイジのフレーズが入っていた。だから、幾つかの曲はそのリフだけは弾くことができた。

 

ある日、ひょんなことから葉山マリーナにヨットの講習を受けに行くことになった。

 

茅ヶ崎に住んでいた友人の家に一泊して、翌日1日ヨットに乗った。俺はインストラクターに「結構筋が良いですよ」なんて言われた次の瞬間に、チン(ヨットを転覆させること。「沈」だ)させたという素敵な思い出を作って帰途に着いた。

 

マリーナから逗子の駅まで送ってもらう途中、運転していた友人が道を間違えて、狭い森戸神社辺りの道を走っている時に、当時のFENからボンゾが死んだというニュースが流れてきた。

 

英語なんて分かりはしなかったけれど、「ボーナム」が聞き取れて、「モービーディック」のソロが延々と流れれば誰だって見当が付く。彼一人だけが何かで褒められるというのでなければ、死んでしまったのだとしか思えない。そんな見当の付け方で知った。

 

思ったよりずっとショックだった。思っていたよりもずっとショックだった。

 

格好に、モテるモテないの呪縛に惑わされていたのは俺だったのだ。

 

zepp69さんのブログに貼られている動画から、確かに「Good Times Bad Times」のイントロだけで、身体がビクンと震えるように感じたのだ。