ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

私家版コミックソングの系譜

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林家三平の「よぉしぃこさん〜」とか、つボイノリオとか上げていけばキリがないのだろう。「ケメ子の歌」とか(「ケメ子の唄」?)「帰ってきた酔っぱらい」とか。「オー・チン・チン」とか「咲坂と桃内のごきげんいかが1・2・3」とか。

 

だから極私的に…。

 

♫ベアトリ姉ちゃん まだねんね〜かい? 鼻から大っきな提灯を出して♪

 

子供の頃、日曜日の朝などに寝坊していると父や母にこんな歌を歌われた。これがエノケンの歌だということを知ったのはずっと大人になってからだ。あがた森魚の「THE エノケン」というCDを買って聞いてみて初めて知ったのだ。てっきり両親のウソウタだと思っていたものがまさかCDから流れて来るとは思ってもみなかった。

 

♪歌はトテチリチントテチリチン♪と続いて、「さあ早く起きろよ」という結びの部分を父も母も歌わないでゴニョゴニョ誤魔化していたのは、そこだけがハモリになるからだということにもそこで気付いた。

 

シャボン玉ホリデーには間に合わなかったから、お笑いというもののメインはお定まりに「8時だよ 全員集合」だった。そこから「オレたちひょうきん族」と流れて行くわけだが、その裏で気持ちはシャボン玉ホリデーへと遡行していく。

 

キャンディーズ伊東四朗の『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』の「私たちには時間がないのよ」というコントが、記憶のうんと片隅にあったピーナッツとハナ肇の「おとっつぁん」「いつもすまないねぇ」というコントをぼんやりと思い出させたのではないか。

 

それから大瀧詠一の『楽しい夜更かし』に「♪真夜中のディスクジョッキー 特集はクレイジーキャッツ♬」という歌詞がある。そこからも道筋を示された。更に中央のSwingCrystalに入部した友人がいて、方向性は決定的になった。

 

Y.M.Oも、スネークマンショーも、全ての声が言っていた。「クレイジーキャッツを聴け」と。

 

だから聞いた。

 

友人のカーステレオから「ちょいっといっぱいのつぅもりで呑んで〜」と流れるのを、ゲラゲラ笑いながら長野の奥まで18号線を走った。一晩中走って新潟まで着く。高速道路が整備されていないそんな頃だった。

 

また別の時、俺は大学を留年して、また留年してと、極めてぼやぼやしていた頃だったと思う。成城あたりの住宅街を友人の車に乗って走っている時に、運転している彼がイタズラっぽい顔をして、カセットをカーステに押し込んだのだ。

 

聞きなれない声で「レディース・エンド・ジェントルマン」と淀みなく歌うような声が聞こえた。同乗している誰もが彼の意図を測りかねていると、その声が「おとっつぁんにおっかさん」と続けた。

 

トニー谷だった。やはり大滝詠一がプロデュースしたCDだ。おかげで「そうです」の代わりに「さいざんす」と言い、「困ったな」の代わりに「しっかたないざんす」と言っては、職場で怪訝な顔をされる50代になってしまった。

 

エノケンはともかく、「ひとつ山越しゃホンダラッタホイホイ、もひとつ山越しゃホンダラッタホイホイ、越しても越してもホンダラホダララホイホイ」と始めて「オッパポロポンたらオッパポロポン、とかくこの世はオッパポロポン」と、ひとしきり俺の知っているバカ歌を歌いたい。付き合ってくれ。

 

でもそれだけじゃ嫌だ。俺が「Is this the real life ? Is this just fantasy?」と歌ったら、ちゃんと「Caught in the landslide, No escape from reality」と続けて欲しい。最後まで歌おう。「Nothing really matters to me」まで。これは全然コミックソングじゃないけれど、『ウェインズ・ワールド』のようにね。

 


ウェインズ・ワールド ボヘミアン・ラプソディ

 

ああ、そんな飲み会がしたい。「酔う」とはそういうことではないのか?