ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

いちばん高い塔の歌 アルチュール・ランボー

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どうやって既得権益を捨てて新しいものを始めるか。

 

「自分」というものを考える時、「自分」がしたいことと「自分が属する集団」がしなければならないこととの齟齬が生じることがある。そんな「自分」の危機にこそ「自分」とは何なのかということを考える。考えざるを得ない。

 

右手に100万円を握っていて、目の前の100万円の商品を手に入れようとしている時、その右手を開けば良いはずなのに、そのことによって100万円を失ってしまうことを恐れる。そんな人物が橋本治の人生相談の本に登場していた。橋本治はその躊躇を叱り、100万円は失うけれど、必要だと考えたその品物を手に入れることが出来るんですよと言う。

 

青空人生相談所 (ちくま文庫)

青空人生相談所 (ちくま文庫)

 

今、俺が自らを振り返る時、何かが動脈硬化を起こしているように感じるのは、その右手を開く躊躇の結果のように思える。もっと自由にもっと豊かに、これまでに獲得した力を存分に発揮したいのにそれが阻害されているように感じるのは、自分で自分にリミッターを掛けているのかも知れない。

 

右顧左眄して八方美人を気取ろうとすることはない。アルチュール・ランボーの「いちばん高い塔の歌」という詩を思い出した。金子光晴の翻訳だとこうだ。

 

「束縛されて手も足もでない 

うつろな青春

こまかい気づかい故に、僕は

自分の生涯をふいにした。

ああ、心がただ一すじに打ち込める

そんな時代は、ふたたび来ないものか」

 

ぼやぼやしている場合じゃない。