ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

ひとつだけ

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物が増える。

 

断捨離の発想に従えば、溜まった物はマイナスの気を発するようになり、本来、流れてしかるべき日常を滞らせるという。これは何かの本を参照したというよりは、部屋に溜まりうず高く積まれていく本やらCDやらの様子を見ていて直感的に感じることだ。

 

だから何年かに一度、それらを段ボールに放り込んでブック・オフなどに持ち込み、タダ同然の値段で引き取ってもらうことになる。断捨離の思想と言うよりは、こんなに沢山の物に囲まれてしまうと精神衛生上良くないと感じるからだ。

 

いつか読む本はそのいつかが来た時に改めて手に入れれば良い。CDはコンピュータに取り込んだらすぐに売ってしまって構わない。必要なのはCDという物ではなくて、音楽のはずだ。

 

そうは言っても根がアナログなので、ぼんやりとつれづれなるままなる夕暮れなどに、ふと手にした本、それまでは床に積み上げられていただけの本に思わず引き込まれて、そこからこれまでなかった興味・関心を掘り起こされ耕されるという経験があり、それを全く否定することも出来ない。

 

昔、レコードがCDに切り替わった頃、「CDは良いよ、曲をあらかじめプログラミングして聞きたい曲だけ聞けるんだよ」と言われた時、俺は「でも面倒くさくて掛けっぱなしにしてたLPから、思わぬ曲との出会いもあるかも知れないじゃない」と言ったことがある。

 

知らない人と会うということも基本的に面倒くさいものだし、俺はいい年をして「人見知り」だから、体験型のセミナーなどに参加しなければならない時は、極端な話、「事故に遭遇して片足でも折ってしまいたく」なる。でもこれまで参加した中では100%、善意によって歓迎され、感覚の深いところを刺激されるような体験であることは間違いないのだ。むしろ、ネガティブな思いで参加した研修ほど収穫が多かったような気もする。

 

要は程度問題なのだと思う一方、クラウド化することによって、物は全部を捨て去って、ラップトップコンピュータひとつだけを手に生活していくことの爽快感にも憧れる。

 

詩人、演劇人、映画監督、短歌作家などなど様々な才能を発揮した寺山修司が「あなたがメインに考える職業はどれですか?」と尋ねられて「私の仕事は『寺山修司』です」と答えたと言う。

 

書を捨てよ、町へ出よう (角川文庫)

書を捨てよ、町へ出よう (角川文庫)

 

要はそういうことだ。この寺山修司の爽快感を手に入れる為に、俺もこの等身大の俺自身を出発点としたい。何を持っているかではなく、何を欲しがっているのかを改めて整理すること。

俺にとっての断捨離とはそういうことなのだろう。