ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

ブルース 2

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「階名」と「音名」の違いとか色々あるらしいんだけど、単純にアメリカでは「ドレミファソラシド」を「C・D・E・F・G・A・B・C」と呼ぶと理解する。とすると、ギターの6弦は「E」、5弦は「A」、4弦は「D」と言うことだ。

 

ある日、ギターを覚えたての俺はこう教わった。「最初に5弦のAを繰り返し弾く。そうそう。それにリズムを付けて。ダダダダダって同じテンポじゃなくて、ダッダ、ダッダ、ダッダ、ダッダって。そうそう、それを8回繰り返したら、4弦のDを同じように、ダッダ、ダッダって今度は4回、続けてまたAを4回。6弦のEを4回、4弦のDを4回、5弦のAを8回、これで良いんだよ」と。

 

そうそれで良かったのだ。

 

ひとりがそうやって弾いていると、それに合わせてもうひとりがソロを入れていく。ソロと言っても難しいことが出来るわけじゃない。ド、ミの半音下がり、ファ、ソ、シの半音下がり、それを適当に組み合わせて弾いていくだけだった。リズムと音をあれこれ組み合わせて、自分にとって「良い感じ」になるように並べていくのだ。そして、この音も入れられるのかな?この音は?という手探りで、使える音を増やしていった。

 

ひとりは「ダッダ、ダッダ、ダッダ、ダッダ」と弾き、もうひとりがメロディを唄うように、思い通りにアドリブでソロを取る。ソロを取るほうが行き詰まったら「ダッダ、ダッダ」と弾き始める。それが合図になって、もう片方がソロを取り始める。

 

この遊びを俺たちは恐れ多くも「A・ジャム・ブルース」と呼んだ。デューク・エリントンの「C・ジャム・ブルース」なんて知らない頃だった。誰か、きっと例の「ストーミー・マンデイ」を唄った奴が好きだったんだろう。

 

Jam Session (C Jam Blues)

Jam Session (C Jam Blues)

 

ギターを持つ奴が2人以上集まると、自然発生的にこの遊びを始める。始めて終わらない。そんな夏の夜が幾つかあった。そんな秋も冬も春もあった。

 

これを一緒にやると大抵のことが分かる。一緒にやっている奴がどんな奴なのか。

 

俺は多分、相手の言いたいことを聞くは聞く。自分の言いたいことについては、基本的にオーソドックスなフレーズを並べるってタイプだ。冒険はしない。悪い奴じゃないけれど、面白くもない。そう自己分析をしている。

 

客観的な評価として「普通は、一生懸命練習して、ストーンズのキースみたいに雑な感じで弾くんだけど、お前の場合、ただ単に雑で下手だ」というのを得たことがある。

 

手厳しいことを。(by カート・ヴォネガット. Jr)

 

母なる夜 (白水Uブックス (56))

母なる夜 (白水Uブックス (56))

 

ちょっとは諦めている所もあるんだけれど、本当はもっともっと上手にブルースを弾きたいんだ。

 

ブルースは、どこか教室に通って教わるっていうのとは、ちょっと違う気がする。「勉強」じゃないんだからさ、っていう気がどこかしている。だから、天性のものと、吸収する部分と、それでもやっぱり技術だから「学ぶ」っていう要素の按配を上手いことして、これからも長い付き合いをしていこう。

 

これは片想いというより、腐れ縁。

 

だから、これからもどうかよろしくブルース。