ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

ブルース 1

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ブルースというのが「本格」で、カッコイイらしい。

 

最近流行っているベイ・シティ・ローラーズやキッスなんかの源流を辿ると、ビートルズストーンズとやらに行き着くそうだ。そして、更にそのルーツを辿ると、ブルースというものがある。だから、洋楽好きを標榜してそこを聞かないでいるのは半可通のそしりを受けるのだぞ…。

 

誰かにそう言われたわけではないが、『ミュージックライフ』なんかを読んでいても、そんな感じのことが行間から立ち上っていた。とにかく、ブルースが「本格」なのだ、と。

 

へなちょこの俺は、当時も今も「本格」という後ろ盾に弱い。しかし、一体全体どこから手を付けていいやら皆目見当がつかなかった。住んでいた町にはレコード屋は2軒。そのどちらも歌謡曲とクラシック、気の利いたところでビートルズ、映画音楽なんかが並んでいるだけだった。レコードが入れられているビニールも黄ばんだ感じだった。

 

2つの情報が俺に1歩を進ませてくれた。

 

ひとつはかまやつひろしの『我が良き友よ』という本。当時のヒット曲にあやかったタレント本だ。そこには高田渡やら加川良泉谷しげる井上陽水などなど同じミュージシャンとの交友録がヒサクニヒコの挿絵と共に収められていた。

 

ヒサクニヒコの挿絵と言えば北杜夫の『さびしい王様』シリーズが思い出されるけど、それは別の話)

 

さびしい王様 (新潮文庫)

さびしい王様 (新潮文庫)

 

『我が良き友よ』の章と章の間に挿入されていたのが「スリー・オクロック・ブルース」というブルースをテーマにした掌説だった。B.B.キングに憧れる黒人の少年が事件に巻き込まれた後で、午前3時、諦念と共にこの曲を波止場で弾き語る。本当にうろ覚えだけれど、そんな物語だった。

 

もうひとつは、兄がオーディオマニアという友人が「秋葉原の石丸電気に行くと、レコードがいっぱいあるぞ」と教えてくれたことだ。

 

そこで行ってみた。3号店、レコードセンターだ。

 

ビルが1軒丸々レコード屋だという有様で、前述のお寒い町のレコード屋状況からは信じられないような宝の山だった。そこでB.B.キングのベスト・アルバムを手に入れた。随分と生意気な中学生だ。生意気ではあるが、ベスト・アルバムというところに、何というか限界を感じさせる。

 

でもそこから中々広がらない。石丸電気のブルースコーナーでLPを繰っても、次にどこへ手を付ければ良いかやはり分からなかった。

 

ハウンド・ドッグ・テイラーとサニー・ボーイ・ウイリアムスのジャケットを何回も何回も手にしたのを覚えている。見てちょっと違和感があった。もうちょっとオシャレにしても良いんじゃないの?という感じ。これがカッコイイっていう美意識はまだ育っていなかった。

 

ハウンド・ドッグ・テイラー

ハウンド・ドッグ・テイラー

 

ダウン・アンド・アウト・ブルース (+2)

ダウン・アンド・アウト・ブルース (+2)

 

地元の図書館で、『ブルース』という本を見つけて読んで見たけど、中学生には難しすぎた。

 

ブルース―複製時代のフォークロア

ブルース―複製時代のフォークロア

 

 

 湖畔の夏に、今は大学教授になっている当時の大学生が、Tボーン・ウォーカーの『ストーミー・マンデイ』を歌ってくれた。往復のバスの車中ではフレディ・キングが流れていた。2人以上集まってギターを手にすると、「A?」「E?」とキーを確認して、いつまでもいつまでもソロを回した。

 

http://jerryrollsunny.hatenablog.com/entry/2012/07/23/070015

 

 

マディ・ウォーターズミシシッピー・ジョン・ハートバディ・ガイ、ゲイリー・デイビス、ライトニン・ホプキンス、リトル・ウォーター、ロバート・ジョンソン、スヌークス・イーグリン…とあれから色々聞いて来たけれど、まだ俺にはブルースなんてのには触りきれていない。

 

ただ、ギターを持って遊ぶ分には楽なんだ、「Aで回そうぜ」ってのが。

(続く)