ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

悪癖の始まり

 

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酒は酔えれば上々吉で、そのことにウンチクは必要のないという方だった。最初の酒は盗み酒で、親が作っていた梅酒が床下に仕舞ってあるのを知っていたから、そこから盗んだ。小6の時だ。両親が妹弟を連れて墓参りに行って留守という日を狙って「俺はいかないよ」と反抗期前夜の顔付きで留守番を買って出たという罰当たりだ。

 

頃合いを見計らって飲み始めた。分かっちゃいるけどやめられないという世界に始めて足を踏み入れて、1ハイが2ハイと重ねた。気が付くと、女の子の家に電話を掛けていたり、台所で寝込んでいたり、要は現在にそのままストレートに至る原体験だった。

 

ビールを初めて飲んだのは高校1年の時だ。友人の家の倉庫で卓球をしようと集まった時に、誰かが麒麟の缶ビールを買ってきた。ひとくちクチにしてその苦味に「こんなもの美味い美味いって飲んでるなんて、大人ってバカなんだな」と言った。

 

友だちの家で朝まで飲んで、そのまま学校へ行くようなこともあった。

 

そうだ。その時、山下達郎の『ムーングロウ』が新譜で並んでいたので、それを買って、その友だちの家に行ったんだ。それで「誰だ?こいつ?」「まあ、聞いてみるか」ってことになって飲み始め、「なんだこの気取った音楽は」「永ちゃん聞こうぜ、永ちゃん」ってことになったんだ。んで、またぞろの「ウィスキー・コーク」だった。

 

MOONGLOW (ムーングロウ)

MOONGLOW (ムーングロウ)

 

アイ・ラヴ・ユー・OK

アイ・ラヴ・ユー・OK

 

そんな呑んだくれだから、ワインなんて飲んだことがなかった。俺が飲むビールとか日本酒とか焼酎とかが酒で、ワインは別なものだと思っていた。誰かの結婚式で飲むことはあっても、自分で買ったり、正直、美味いと思って飲んだことなんかなかった。

 

そんな俺が、マルタ島でワインを飲むことを覚えた。紹介されたマルタ人に安くて美味いワインと、それが買える酒屋を教えてもらった。そして、マルタ島に住んでいる日本人に、安くて美味いチーズを教えてもらった。そして見事に味をしめた。

 

酒はその土地の旨いものと一緒に飲むのがイチバンだということが分かった。山口瞳がなにかのエッセイで「寿司屋でビールを飲むというのは、『舞踏会の手帖』という映画にジョン・ウェインが出てくるようなものだ」と言っていた意味が分かる。

 

江分利満氏の優雅な生活 (ちくま文庫)

江分利満氏の優雅な生活 (ちくま文庫)

 

本当はそのマルタ島でのワインの話を書こうと思ったのだけれど、酒の話になってしまった。

 

 

同じく呑んだくれだった父が、酒に関して教えてくれたことが2つある。

「辛いことがあった時は飲むな」

「二日酔いは10時半まで」