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ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

おじいちゃん おばあちゃん

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金曜ロードショーで『サマーウォーズ』をやっていた。見ていたら、祖父母のことを思い出した。

 

父方の祖父母は、早くに亡くなった。父はあまり多くを語らなかった。だから、以下は母方の祖父母のこと。

 

博打打ちだった祖父は、賭場が手入れにあった時、隣家の屋根伝いに逃げようとして、瓦を踏み抜き、他人の家の食事中に天井から落ちて行ったことがある。

 

その祖父は泥棒を捕まえて、警察から表彰された。

 

祖父の背中には絵が描いてあった。祭りの時に、若い衆が線描だけの物を肌脱になって自慢してるのを見かけると「そいつは金がないのか、痛いのか、どっちなんだ?」と言って自分の物を自慢げに見せたという。

 

俺はその祖父に会ったことがない。祖母のことも朧気にしか覚えていない。祖母はその祖父と連れ添って、相当貧乏だった。夏は氷屋、冬はおでん屋をやっていた。母が小遣い欲しさにレジ代わりの引き出しをこっそり開けると、十銭銅貨が1枚入っていただけで、がっかりするより悲しくなったという話を聞いたことがある。

 

亡くなる直前に、生まれて初めてコーヒー牛乳を飲んで、絞りだすようにして「美味しいねぇ〜」と言ったという。

 

祖母が買ってきてくれた財布の柄が気に入らないと娘時代の母がこぼしたら、癇癪を起こして「だったら返せ!」と怒られた。母は(あとでこっそり取り返せばいい)と思って、しぶしぶ祖母に渡すと、そのまま汲み取り式の便所に投げ捨てられた。母は「癇癪を起こしているんだか、冷静なんだかさっぱり分からない人だった」と回想する。

 

その二人の孫である俺だ。貧乏も筋金入りだし、へそ曲がりも筋金入りだ。もうひとつ言うと、俺は昔、ジャズバーにお客として来ていた自称「占いのおばちゃん」に、四柱推命的な見立てを立ててもらったことがある。結構、色々なことを言い当てると評判のおばちゃんに、俺は金がなくて困っちゃうんだけど、こんな状況は一体いつまで続くのかって占ってもらったのだ。

 

すると、生年月日やらなにやらを聞かれ、生まれた時間まで聞かれた後で、「あれ〜?…どうしてだろう…なんか金、お金持ちっていう卦しか出ないんだけど」と言われたことがある。おばちゃんの言葉と俺のこれまでの経済状態を辻褄合わせるなら、つまりものすごく分厚い貧乏の層と、ものすごく分厚い金持ちの層が拮抗した、そのせめぎ合いの中にある貧乏なのだ。一筋縄ではいかないはずだと自惚れてみる。