ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

俺のラッキースター

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週末を利用して高速を片道五時間ほどひた走り、まだ肌寒い高原の湖で泳いで来た。少し疲れが残っている。昨日は、1日ぐったりとしていて、仕事から帰ると、八時三〇分には床に入ってしまった。これまでそんなことはなかったのに…と考えるのではなく、年を取るとそんなことまで出来るようになるという方向に考えよう。

 

 引越しの話だ。

 

今まで幾度と無く引越しをしてきた。実家のすぐ近くの4畳半の部屋を借りたのを皮切りに、大学の近くへ、職場の近くへ、結婚をして、そして子どもが生まれと引っ越してきた。計5回か。こうやって数えると大したことはない。公務員の転勤族だった妻は12回目だと言っていた。

 

実家のある町を離れて大学の近くへ引っ越す時、快晴で遠くに富士山が見えた。それを見て、これは俺の前途を祝してくれているようだと思った。今にして思うと、大してそうでもなかった。俺はすぐに何かの現象から予兆的なものを読み取ろうとする傾向があるが、ここで振り返ってみると、うん、全てなんの意味もなかったことが分かる。

 

どんな願をかけても、魔を払うような行為を繰り返しても、死ぬべき人は死んでいき、別れるべき人とは別れる。逆に、出会うべき人には出会ってきた。

 

矛盾するようだが、受かるはずのない大学に受かったり、落ちるはずのない大学に落ちたりするところに人生の醍醐味はある。そう教えてくれた先輩がいた。

 

だから部屋を探していても、俺が決めるのは「この町」っていうことだけだった。後は、駅に近い不動産屋に行って、予算を提示して最初に紹介されたところに住む。それだけだった。

 

ひょっとしたらもっと楽で便利な場所、居心地の良い場所に住むことが出来たのかも知れない。でもそんな場所にはそんな場所のデメリットがきっとある。家賃が高いとか気に入らない隣人がいるとか。だから自分自身の身の丈を把握していれば、大きく逸れることはないんじゃないだろうか。

 

このような発想は、独身時代ならとにかく、今となっては人からひどく不興を買う。「不真面目」「無責任」云々。

 

これまでに空き巣に入られたことが2回。寝ている間に泥棒に入られたことが1回。3回も盗みに入られたことのある人に会ったこともないが、その被害総額が1万五千円程度という人にも会ったことがない。

 

住んでいた部屋が空き巣に入られたということは、訪ねて来た刑事に教わった。「空き巣狙いを捕まえて、こちらに入ったということも自供したので…何か盗まれていませんか?」とのことだった。「いや〜、盗まれるようなものはないから…」と探してみると確かに通帳と印鑑がなかった。そこに入れてあったのが5000円。

 

勤め始めて暮らしていたのはアパートの1階だった。サッシのガラスが割られて、テーブルの上に置きっぱなしにしてあった1万円札がなくなっていた。あとはチームで作った揃いものの真っ赤なウィンドブレーカーが一着。「1万円でも置いておいて良かったじゃないんすか。金目のものがなくて腹いせに火ぃ付けたりする奴もいるらしいから」と同僚に言われた。

 

警察が指紋を取るためブラシで部屋中に付着させるアルミパウダーの粉末は、自分で拭き取るのだということを知った。「中性洗剤で落ちますから」だそうだ。

 

ツイてるのかツイてないのか。そんなこと誰にも決められないのだとしたら、すべきことは決まっている。外側にツキの予兆を探すのではなく、俺はツイてるって勝手に決めて調子に乗るのが得策だ。

 

俺のラッキースターは今日も輝いている。

 

周囲に鬱陶しがられたとしても。