ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

男子なら誰でも

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  Marvin Hagler vs. Thomas Hearns 1985

 

男子なら誰でも合法的に人を殴りたいと思ったことがあるはずだ。いや、ここで不要なジェンダー論を展開するつもりはない。

 

「人」は誰でも合法的に人を殴りたいと思ったことがあるはずだ。

 

俺の場合、いちばん安易に妄想するのは、刃物を持った暴漢が襲ってくるというシチュエーションだ。その暴漢は、これまで仕事上の対立があったような相手が望ましい。

 

俺は上着を脱いで腕に巻く。刃物に傷つけられるのを避けるためだし、その拳で思い切り殴る前提だから、殴りつけた衝撃で自分の拳を痛めつけることがないような配慮だ。

 

ずっと以前に読んだ平井和正のアダルト・ウルフガイシリーズで、主人公犬神明が「自分の刃物で自分を傷つけることがないようにしな」と戦う相手に忠告するシーンがあった。そんなひと言を相手に告げてやっても良いだろう。

 

相手は衝動的に刃物を持って来たのだから、「突き」ではなく「振り回す」方向で来るだろう。だとするならばその初太刀を全太刀として受け流すことが出来れば勝機はある。

 

そうだ。高校を卒業すると背中に絵を描いた同級生が居た。彼は「喧嘩の時は、頭に血が上ってるから、殴っても効かない。喧嘩は蹴りだ蹴り」と言っていた。だから、前田日明アンドレ・ザ・ジャイアントに放った膝の関節を前から向こう側へ、即ち決して曲がらない方へ蹴り抜けるという、所謂「皿割り」を繰り出して機先を制しても良いだろう。

 

うぐっとうずくまったところを、ヒョードル並の屈託のなさと力強さで顔面を殴る。すごい勢いで鼻血が出るだろう。そうしたら俯せにして、刃物を持った方の腕を腋固めで決める。そうなれば、これまで遠巻きに見ていた人たちも近づいて来ているだろう。後は彼らに渡そう。俺のしたいことは終わった。

 

俺のしたいこと、それは俺の正しさと強さを示すこと。

 

「凄い!」と言われたい。「いやぁ〜、私が間違っていたよ」と言われたい。

 

そんな妄想に身を委ねる時は、ストレスが溜まっている時なのか。生存への欲求が強まっている時なのか。少なくともこうやって妄想しながら、少しずつアドレナリンを分泌させているのだろう。

 

妄想は、この渡世を生き抜くためのアイドリングだ。