ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

停電@マルタ島

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マルタ島では、自炊できる寮の5階にアメリカ人とふたりで2週間暮らしていた。マルタのエレベーターは、イギリス風に「1F」ではなくて「G」、2階が「1」となっている表示だ。

 

同宿の彼は日本語検定2級なので、意思の疎通は問題ない。俺はちょっと物足りなかったくらいだ。折角の「異境」にあって、日常を思い起こさせるような要素は出来るだけ少ない方が良い。だから、俺は「英語で話しかけてくれよ。お前の日本語の勉強の為には、また日本に帰った時に充分お手伝いさせてもらうからさ」とお願いした。

 

その寮はパーチャビルという繁華街から徒歩で20分ぐらいだったろうか。いちばん近いマックカフェまで10分ぐらい。曖昧な時間だ。パーチャビルに学生たちが通う語学学校の本部があり、その事務所で朝食を食べることが出来る。バウチャーをもらっているので、そこまで行けば、タダで朝食が食べられる。ただし、食堂は8時までしか使えない。

 

俺たちは特に打ち合わせがある時以外は、マックカフェで朝食を済ませるようになった。一日中、酷暑の中にいて、夜は日本とのメールのやり取りに忙殺され、朝寝は不可欠の要素だ。

 

その酷暑でもう一つ、これはレトリックではなく不可欠なものが「水」だ。俺は2リットルのコントレックスを抱えて歩いている人を見た。その気持ちも正直分かるくらいの暑さだ。そして日本と違って乾燥しているから、汗をあまりかかずに、気が付いたら水分だけ蒸発している。脱水症状の出来上がりだ。

 

最初、500mlのペットボトルを2ユーロで買った。それが所謂、観光地価格であることに気付くのは、近所のスーパーに行ってだ。日本と同様にまとめ買いが安く、2リットルのペットボトルを6本まとめて買うと、それで4ユーロだった。

 

だから、それを買うことにした。

 

問題は、そのスーパーはパーチャビルにあり、俺たちの寮はゆっくりとした坂の途中にあるということだ。その6本が残り1本になる前に交代で買いに行こうということにしていた。

 

 突然の停電に悩まされたこともあった。夜、イタリア語チャンネルのテレビを見ながら、豆腐みたいなチーズを食べ、ワインを飲んでいると、それは起こった。2週間の滞在中に3日ほどあっただろうか。不意に何もかもが真っ暗な中にある。

 

マルタ島にあって、漆黒に反転した地区を眺めるというのは、稀有な景観なのか、それともこの頻度からすれば、有り得べきことなのか。

 

少なくともスイス在住の友人からは、「ヨーロッパでしょ?普通だよ」という言葉をもらった。

 

それよりも、翌日いっぱい続くその停電のお陰でエレベーターは駆動せず、5階まで2リットル6本の水を抱え上げて上らなければならなかったアメリカ人から、本物、掛け値なし渾身の「F**k」という一言を聞いたのが俺の収穫だった。

 

(その停電の影響か分からないけど、トイレの水が流れなくなって、「最悪マックカフェで済ませるしかないね」って話していたのは、2回目の停電の時。幸いバケツに汲んでおいた水で何とかなったけどね)

 

 

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