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ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

海(シンパ)

雑感

海岸から海を眺めていると、自分はもうその先何処へもいけないような気がして落ち着かなくなる。海は訪れる所だ。

 

そんな風に海に負けそうになった時には、いっそ身を委ねてしまえば良い。海と俺との距離をなくすように浮いてしまう。

 

海に浮かんで、俺は解放される。

 

『宝島』という雑誌がある。中学3年の頃から読み始め、大学生の後半ぐらいまで毎月定期購読していた。この『宝島』と『ガロ』、それから『ビックリハウス』という雑誌は、俺自身の興味のベクトルとそれぞれの雑誌の方向性とが見事に重なりあっていた。

 

『宝島』ではある月に「日常生活の冒険」という特集をしていた。イーグルスの『ホテル・カリフォルニア』の広告が載っている頃のものだ。読み返してみると、自分の行動パターンが、そこから出ていないような気がして愕然とする。

 

げに恐ろしきは十代のインプットだ。

 

曰く…「いつもとは違った道を歩いて通学(通勤)する」「新聞を読まない」「腕時計はしない」「お金を持たずに街を歩く」「大切なコレクションを捨てる」「玄米を主食にする」「家出をする」「空を飛ぶ」「冷やし中華を食べる」「紙飛行機を飛ばす」「サーフィンをする」「SFを読む」「日がな一日公園で過ごす」「日なたぼっこをする」とある。

 

俺はそのひとつひとつを忠実に守りながらこの年まで過ごしてきたようだ。そのことに今更ながら驚いてしまう。

 

そして、その「日常生活の冒険」リストの最後に「フローティング」と載せられている。

 

ゴム・ボート、サーフボード、いかだなどの上にひっくり返って波の音や磯の香りを感じる。俺が一番好きなのは、海岸線のすぐ近くまで山がせり出しているような所だ。その緑を眺めながらフローティングしているのが良い。直射日光も、その海からの照り返しも、緑が緩和してくれる。

 

アンカーを打って流されないようにして、いつまでもいつまでもぼんやりと浮かんでいたい。本当だったら、アンカーも抜いてどこまでも流されて行きたい所だけど、その心の準備ができていない。だからたゆたうだけ。気弱な俺だ。でもそれで良い。のんびりとアルファ波を出す時間なのだから。

 

ビーチボーイズも「6月までは待てない」と歌っている。もう良いだろう。海に浮かぼう。

 

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