ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

ペシャンコにされても

『ペシャンコにされてもへこたれないぞ』という本がある。ナット・ヘントフという黒人作家のものだ。

 

ジャズの評論家でもあったナット・ヘントフには『ジャズ・カントリー』という小説もある。『ジャズ・カントリー』は、高校時代の友人が文庫を持っていて、それを「ちょっと読ませて」って寸借し、グイグイ引きこまれて読んだものだ。

 

ジャズ・ミュージシャンになりたい主人公の白人の少年が、恐らくはチャールズ・ミンガスがモデルだと感じられる黒人ミュージシャンと知り合いになる。

 

肌の色に区分けされた文化の境目にあって、Insideになりたい少年に、最初からInsideに在った黒人少年が「お前のスニーカーは、まだちっとも汚れていないじゃないか」というシーンが印象的だった。だからお前にはJazzは演奏できないってことだ。

 

気が付くと、俺のスニーカーは、もう十分に汚れている。ってか、ボロボロなのかも知れない。客観的には。だからって、Jazzが演奏できるようになったわけじゃない。実際にも、比喩的にも。

 

やがて知った同じ作家の『ペシャンコにされてもへこたれないぞ』は、題名がとても好きで、だから逆にまだ読んでいない小説だ。そうこうしているうちに、とっくの昔に絶版になってしまっている。

 

自分で自分にお預けをしていたこういう本は、ずっとあるべき所にあって欲しいんだけどな。