ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

三島由紀夫の全集が欲しい

残りの人生を、この文章を読むことに費やすっていうのは、どうかな。いや、なんていうのかな、自分とは無縁だと思っていた人と知り合って、知り合ったらとっても面白い人だということが分かって。 折角だから、もっと徹底的に知り合いたいって思っている。今…

『豊饒の海』三島由紀夫を読んでいる

随分昔に読んだ三島由紀夫の遺作を読み返している。もう30年ぶりくらいに読み直して、驚いてる。こんなに面白かったんだという感じだ。 幼い頃に打ちのめされたその文章のペダンティックな側面にはもうやられない。それくらいには俺は年老いている。言うま…

それからの『豊穣の海』

結局、図書館で借りて『豊穣の海』は「春の雪」を読み始めた。読み始めてまだ数十ページだけれど、ここまでの感想を述べる。 白状すると、俺は三島由紀夫の小説はあまり読んだことがない。『小説家の休暇』を始めとして、その評論は随分と読んで、感銘を受け…

豊穣の海

三島由紀夫の『豊穣の海』が読みたくなった。折角だから本字の歴史的仮名遣いで読みたいと思った。となるとおそらくは全集を手に入れるのが最も手っ取り早いのではないか。 だからと言って、6000円以上する本を、ほいほいと買い込むだけの余裕はない。か…

夏五月

ある時、それはまだ俺が池袋の下宿でぼやぼやしていた頃の話だ。当時付き合っていた人は、歴史の勉強をしている大学生で、ちょっとエキセントリックな言動が可愛い、腰の細い女の子だった。 ある時、俺の6畳一間、風呂なし、トイレ共同の部屋の、薄っぺらい…

真崎・守

少年時代に出会って、その後の俺のメンタリティに大きな影響を与えた作家のひとりに、真崎・守がいる。 最初に読んだのはおそらく『ジロがゆく』だったろうと思う。いや、『はみ出し野郎の伝説』だったろうか。とにかく、小学館の漫画文庫に収められていたそ…

こくう物語

こくう物語 作者: 鈴木翁二 出版社/メーカー: 青林工芸舎 発売日: 2002/03 メディア: コミック 購入: 1人 クリック: 8回 この商品を含むブログ (3件) を見る 息をつめるような思いで、毎月毎月雑誌を買うという経験をしなくなって久しい。ある時期の『宝島…

シンプル・ライフ

メイウェザーとパッキャオの試合前に、うかうかと乗せられてWOWOWの契約をした。そのまま解除するのも面倒なので、契約したままにしていた。 壊れたと思っていた外付けHDDが、別に壊れていたわけではなく、どうやらタップの方が調子が悪かっただけだったよう…

ラーメン食いてぇ!

ラーメン食いてぇ!(上) 作者: 林明輝 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/04/03 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る ラーメン食いてぇ!(下) 作者: 林明輝 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/04/03 メディア: Kindle版 この商品を含…

分厚い本

そんなわけで、何日か前から「積読」状態だった『定本 久生十蘭全集』を読み始めている。 「ノンシャラン道中記」から始まる1巻だ。「ノンシャラン道中記」はコン吉とタヌ子とあだ名される二人の日本人(音楽と絵画の留学生だ)がフランスからスイスまで、…

プルースト

失われた時を求めて(1)――スワン家のほうへI (岩波文庫) 作者: プルースト,吉川一義 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2010/11/17 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 67回 この商品を含むブログ (24件) を見る 古本屋で『失われた時を求めて』の(1)…

集中するということ

18分集中法: 時間の「質」を高める (ちくま新書) 作者: 菅野仁 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2012/12/05 メディア: 新書 クリック: 5回 この商品を含むブログ (3件) を見る 集中力がない自分を「分散力がある」という形で肯定的に捉えようという糸井重…

谷間の百合

谷間の百合 (新潮文庫 (ハ-1-1)) 作者: バルザック,石井晴一 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1973/02/01 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 19回 この商品を含むブログ (11件) を見る 誰のどの本棚を見ても、この『谷間の百合』が並んでいた。 学校の図…

石坂洋次郎が読みたい

若い人 (新潮文庫) 作者: 石坂洋次郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2000/07 メディア: 文庫 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る 時々狂おしいほどの衝動に囚われて、石坂洋次郎の『石中先生行状記』が読みたくなることがある。バカバカし…

重力の虹

Gravity's Rainbow 作者: Thomas Pynchon 出版社/メーカー: The Penguin Press 発売日: 2012/06/13 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る 国書刊行会で訳出されたピンチョンの『重力の虹』の1巻を買ったのは、(奥付を見ると)1993年…

待て、しかして希望せよ

モンテ・クリスト伯〈7〉 (岩波文庫) 作者: アレクサンドルデュマ,Alexandre Dumas,山内義雄 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1957/01/25 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 13回 この商品を含むブログ (39件) を見る 以前のこの記事からおよそひと月余…

父の本棚

モンテ・クリスト伯〈1〉 (岩波文庫) 作者: アレクサンドルデュマ,Alexandre Dumas,山内義雄 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1956/02/05 メディア: 文庫 購入: 14人 クリック: 255回 この商品を含むブログ (104件) を見る その頃には意味の分からなかっ…

言葉が水

前回の続きだ。そして考えた。俺にとっての「水」は「言葉」ではないか。この不定形で不確実でとらえどころのないもの。 小学校の頃、学級委員とかをしていた。何故か分からない。お調子者だったからおだてられて引き受けたのだろう。そして学級会の司会など…

そうだ石川淳を読もう

昨日の話の補遺として…。 『狂風記』を読んだのは大学生の頃だ。まだその頃は下宿する前で、大学まで1時間弱かけて通っていた。その電車の中で少しずつ読み進めて行った。辞書もなしで読み進む。「辞書もなしで」と書いたのは、時として難解で、その難解さ…

久生十蘭全集

久生十蘭と夢野久作は、俺が大学生の頃、ちょっと大きめの書店に行くと全集の棚にどこでも在った。どちらも三一書房だったけれど、夢野久作のおどろおどろしい背表紙のロゴに対して、久生十蘭はヨーロッパ風のゴチック風のペダンティック風な作りだった。 そ…

Time magazine

定期購読をし始めてもう3年になる。『Newsweek』か『Time』かと言われたその『Time』だ。 読んでいるかと言えば読んではいない。手にとっているというのが正確だろう。でも、その背伸びが良いんじゃないかと思っている。いたいけな中学生が『週刊文春』の「…

机に向かう

大事なことを忘れていた。ひと夏、東奔西走というほどではないにしろ、あちこち渡り歩いて、泳いだり走ったり山に登ったりしているうちに、最近…なんだろ…この感じ…という感じになっていた。 怠けていたわけではない。退屈していたわけでもない。ただ、俺が…

花火嫌い

夏の終わりに各地で花火大会が開かれている。ところが俺はそういったイベントに行ったことがない。というか行きたくない。同じようなことを息子も言っていた。 人が多い。 うるさい。 暑い。 いいことはひとつもない。しかし、まったく同じ理由でそこに集ま…

秋の夜長的雑感

結局、読めなかった『誰がために鐘は鳴る』もそのままに、『Up』すなわち、『カールじいさんの空飛ぶ家』を買い込み、『Memoirs of Geisha』を買い込み、『罪と罰』を買い込んだ。 ラダーシリーズで、比較的読みやすい英文に沢山触れようという作戦だ。 財布…

旅の記憶9

訳あって韓国に11泊する出張中だ。日常的な業務をこなす場所はその会社のWi-Fiが飛んでいる。そのアクセスキーは初日に教えてもらい、こうしてブログの更新もこっそりしている。 大体夜は9時に業務が終了する。尿酸値が高い俺はそのまま真っ直ぐに用意さ…

夏の匂い

永六輔が『遠くへ行きたい』で「テレビカメラは全てを映し出すように思われているけれども、この匂いは運ぶことはできません」と、村祭りの様子を背景に語っていた。その舌足らずな口調が、誰かのモノマネにそっくりだった。 『遠くへ行きたい』ではなくて、…

信じてみる

昔、あちこちの温泉に連れて行ってもらっていた時期がある。20才とかせいぜい25才とかの頃だ。俺と直接の師弟関係はない大学教授と知り合い、その人が「ひとりで行ってもつまらないし」と、俺と友人を誘ってくれたのだ。年にそんなことが2,3回あった…

アンチ天地無用主義

自転車に乗っていて、後方を確認することがある。立ち止まって後ろを振り返り…ではなく、気分はツール・ド・フランスの選手だから、走りながらの後方確認だ。 例えば道路左側の路肩を走りながら、前方に速度を落とした左折車両を見つけた時、このままだとぶ…

暑いのは…

革命的半ズボン主義宣言 (河出文庫)作者: 橋本治出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1991/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 55回この商品を含むブログ (11件) を見る 汗をかくのはいやじゃない。どれほど暑くても、ダウダウと汗をかいても俺は構わな…

ひと夏の挑戦

ひと夏という括り方をしてしまうのは、少年時代の「夏休み」という感覚で培われたタイム感なのだろう。実際、「このひと秋かけて」とか「ひと春でどれくらいの達成ができるのか云々」とは言わないだろう。言ったとしてもしっくり来ない。 さてこそ、俺のこの…