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ジグ・ノート

備忘録のような形でつらつらと…

Ready to Fly

失われた財布は、ほんの少しばかり旅をして、帰ってきた。正確にはまだ帰ってきていない。その消息が知れたということだ。とある映画館の入口にある手すりに置かれていたということだ。俺が行ったこともないところだし、こんなことがなければ決して行くこと…

夏の匂い

永六輔が『遠くへ行きたい』で「テレビカメラは全てを映し出すように思われているけれども、この匂いは運ぶことはできません」と、村祭りの様子を背景に語っていた。その舌足らずな口調が、誰かのモノマネにそっくりだった。 『遠くへ行きたい』ではなくて、…

海・umi・うみ

一番古い海の記憶は、千葉の御宿への家族旅行だ。まだオムツを付けていたような頃だ。俺は轟く潮騒に恐怖心から泣き叫び、その後、激しい下痢に見舞われた。長い間、俺にとって海水は下痢に直結するものとして刷り込まれた。 だから、高校生になるまで海に近…

スクール

根が真面目な俺は、サーフィンをやるのも同様だ。サーフィンスクールに登録した。今週末、朝、7時に集合して海に入る。来週の予約もした。 俺はいったい、何がしたいんだろう。でも、先に体験した時の呼吸器をギリギリまで追い込む感じと、足の下で渦を巻く…

俺のコミュニケーション準備

マイナスのエゴトリップが習い性となり、マインドセットとなってしまう。俺の場合、その殻を破るのはふざけることだ。冗談を言い、駄洒落を言う。それが出来たら大丈夫だ。 実は、どのような環境であっても、自分の居場所を作ることが出来る。それが俺の特性…

国際線

飛行場が持っている出口としての広がりに、時々幻惑される。 「ここじゃないどこか」へ誘う最終搭乗のアナウンス。飛行機そのものが持つフォルム。面倒くさい出国手続きも魅力的だ。 韓国焼肉弾丸ツアー。チェンマイ。カッパドキア。ロンドン。シンガポール…

悪癖の始まり

酒は酔えれば上々吉で、そのことにウンチクは必要のないという方だった。最初の酒は盗み酒で、親が作っていた梅酒が床下に仕舞ってあるのを知っていたから、そこから盗んだ。小6の時だ。両親が妹弟を連れて墓参りに行って留守という日を狙って「俺はいかな…

ボウズ

最近だれそれと結婚したなんとかいうグループの人の話ではない。 高校の頃、髪は伸ばすことが解放の証だった。コンサバティブな連中は短髪を旨とする「高校生らしい」髪型をしていた。『赤頭巾ちゃんご用心』という、これは庄司薫ではなく、レイジーという…

停電@マルタ島

マルタ島では、自炊できる寮の5階にアメリカ人とふたりで2週間暮らしていた。マルタのエレベーターは、イギリス風に「1F」ではなくて「G」、2階が「1」となっている表示だ。 同宿の彼は日本語検定2級なので、意思の疎通は問題ない。俺はちょっと物足…

Tattoo you.

マルタでロシア人の子どもに(子どもと言っても高校生だけど)くるぶしのタトゥーを見せられたことがある。漢字だった。漢字だったが、全然意味の分からない、三文字が羅列してあるだけの漢字だ。 「俺の名前を掘らせたんだ。そうなんだろ?」 彼はそう尋ね…

コミュニケーションスキル あるいは正しい英会話

マルタ島にあるホテルの前で、パーチャビルという繁華街まで行くバスを待っていた。 マルタ人はマルタ語を話す。しかし観光が重要な産業なので英語も公用語として使われる。そこで、ヨーロッパの非英語圏の人たちが、バカンスも兼ねて英語の勉強をしに来る…

指輪に傷を付けた

俺の父親の仕事は錺屋だった。 「かざりや」と読む。彫金一般をそう呼ぶのではないかと思う。仕事を尋ねられると父親はそう答えるのが常だった。「かざりやです」って。多分その職名にプライドを持っていたんだろうなって思う。当時でもそれがどんな仕事か…

Malta Island

マルタ島に行ったのは、夏の暑い盛りだった。ひーひー言いながら、中心的な歓楽街、パーチャビルを歩いていたのを思い出す。7月~8月はあまりお勧めしない。お勧めしないが、もう一度行っても良いと言われたら、それが8月でも行きたいと思っている。 何…